アンテナ・CMOS回路グループ


アンテナ、CMOS回路グループは、三次元集積化実装技術や乳ガン検出システムに搭載可能な、UWB通信のための超広帯域アンテナの研究や高速かつ低消費電力のUWB通信技術を実現するUWB送受信回路の設計をしています。

   アンテナ搭載超広帯域インパルスCMOS送受信集積回路      ベクトルネットワークアナライザによるアンテナ伝送特性の測定
          
 近年、高速かつ低消費電力の通信技術として、超広帯域(UWB)通信技術が注目されています。UWB技術は、電力を周波数の広い範囲に拡散させて通信するため、“他の機器との干渉が無い”、“低電力で通信が可能”などのメリットがあります。その反面、“アンテナ・回路の超広帯域化”や“マルチパス対策”など解決すべき課題も多い技術です。
 そこで、吉川研究室では、UWB技術による高速かつ低消費電力を実現するUWB通信技術の開発と、UWBレーダー技術による早期乳ガン検出システムの構築を目指し、研究を行っています。

<研究テーマ>
シリコン集積化アンテナによるワイヤレス信号伝送の研究(アンテナグループ)
 集積回路チップを縦に積み上げる三次元集積化実装技術における、チップ-モジュール間のUWB信号伝送用オンチップアンテナを研究しています。
 オンチップアンテナはシリコンの損失のために性能が悪いことが課題であり、電磁界解析によるオンチップアンテナの性能の改善、およびアンテナの小型化を行っています。

早期乳ガン検出用UWBレーダーシステムの研究(アンテナグループ)
 乳ガン組織と正常な胸部組織は誘電率と導電率の周波数特性に違いがあることから、乳ガンをUWBレーダー技術で検出可能です。
 そこで本研究グループでは、UWBレーダー技術による乳ガン検出システムの実現のために、超広帯域アンテナの研究、および検出した乳ガン細胞を視覚化する信号処理アルゴリズムの研究を行っています。

UWB高速通信用送受信回路の設計(CMOS回路グループ)
 超高速かつ超低電力のUWB無線通信技術を実現するため、送受信回路の設計を行っています。
 現在、送信回路において2Gbps、1.8pJ/bit、受信回路において1Gbps、3.8pJ/bitを実現おり、今後は、送受信回路とも5Gbps、1pJ/bitを目標に研究を行っていく予定です。

UWB技術を用いた乳ガン検出システムのためのサンプリング回路の構築(CMOS回路グループ)
 乳ガン検出システムに搭載する、UWB信号をディジタル信号に変換する回路設計の研究を行っています。
 現在、サンプリングの速度は30GS/sの超高速でサンプリングを行う回路で、ターゲットの検出に成功しています。今後は世界初の100GS/s超高速サンプリング回路の設計・試作を行う予定です。

 

Low-k(低誘電率膜)グループ


Low-kグループは、ULSI(Ultra-Large Scale Integrated Circuits)デバイスの微細化に伴うメタル配線の高速化・低消費電力化を目指し、低誘電率(Low-k)膜の開発研究を行っています。


    自己組織化による多孔質シリコン酸化膜の断面TEM写真         レーザー誘起表面弾性波装置の写真

 集積回路の高性能化には回路設計だけでなく、集積回路のハードウェアを構成する電子材料の高性能化・高機能化も必要になります。
 本研究室では、高速信号伝送に対応する低誘電率配線層間絶縁膜の研究や半導体メモリ用高誘電体材料の研究、またそのような電子材料膜の赤外吸収分光装置や機械強度測定装置の研究を行っています。

<研究テーマ>
ポーラスシリカlow-k膜の研究
 電子材料の低誘電率化は、膜の低密度化により実現可能ですが、機械強度の低下を招くため、製造プロセスへの耐性が不十分になります。
 そこで本研究は、従来用いられてきたSiO2に対して低誘電率かつ機械的強度に優れたポーラスシリカlow-k膜の研究を行っています。

レーザー誘起表面弾性波装置による機械強度測定技術の研究
 本研究は、サンプル膜の機械強度を測定するため、レーザーをサンプル表面に照射する事で発生する表面弾性波(SAW)を用いて、非破壊かつ基板効果を考慮できる機械強度測定技術の研究を行っています。